みんな元気でやってますよ~(駅前土曜寺子屋)(10/12)

 「秋深き隣は何をする人ぞ」という松尾芭蕉の句があります。秋になると、何とはなく人が恋しくなり、お隣さんは今何をしているのかなあ、あの人は今頃何をしているのかなあ、と思いを巡らすことが多くなるのではないでしょうか。そこで今回は、駅前土曜の寺子屋から、「みんな元気でやってますよ~」の近況をご報告します。
 駅前土曜の教室は、駅前月曜、駅前金曜と同じく東急11F国際交流コーナーを会場にしています。
会員は19名、学習者は33名、つまり、一人で複数の学習者さんを担当している会員もいます。当然、学習時間は、土曜の17時から21時まででは収まらず、この時間外に国際交流協会の隅のカウンターや、学生交流サロンを転々として授業を行っています。まるで11階フロア全体が教室みたいですね。
 会員の年齢は、20代から70代までと幅広く、学習者は、学生さんから会社勤めの方、主婦の方まで様々です。できるだけクラスを休まないですむよう、時間や場所をお互い相談しながら進めています。学習者の皆さんは、土曜という週末の貴重な休みを使って勉強に来るのですから、とても熱心で、その熱意が、私達会員の疲れた週末の体をふるい立たせてくれるような気がします。ある日、若い会員の方が「毎回、行きづまっては止まり、また進む、の繰り返しです。」と心境を話してくれましたが、全く同感です。でも、それは同じ繰り返しではなくて、少しづつ変化しているのではないかとも思っています。小さな輪から、すこーし大きな輪へ移っていく。その元が、「一つでも多くの日本語知識を身につけよう」と思って通ってこられる学習者の方々の熱意ですね。中国、ベトナム、バングラデシュ、スリランカ、フィリピン、ペルー、イタリアと幅広い国からいらして、縁あって私達日本人と出会い、お互いの触覚をすり合わせながらコミュニケーションをとっていく、そんな関係作りが日本語教室の魅力かもしれません。

 駅前土曜寺子屋としては、全員が揃う日が少なく、イベントなどの企画が難しい面はありますが、駅前という利便性を生かし、たまり場的な安心の場が提供できるのではないかと思っています。秋も深まり、人恋しい季節に、近くて遠い「お隣さん・駅前土曜」から、近況をお届けしました。(近藤知子)

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